箕山スポーツ医学塾(File №17): 腓骨筋腱(短)の縦断裂Longitudinal tear of peroneal tendon(brevis)

腓骨筋腱(短)の縦断裂は、腱の完全脱臼が起きていなくても、亜脱臼状態であると腓骨筋腱溝の縁へ短腓骨筋腱が長腓骨筋腱に圧迫されることで生じます。
写真は文献から引用した術中所見です。MRI(magnetic resonance imaging)ではaxial view(横断像)で短腓骨筋腱が縦断裂をきたしている部分で扁平化しブーメラン型にくびれているのが見られます。
足関節ATFL(前距腓靱帯)不全などが関与していることもあり、理学療法やステロイド注射などの保存的治療で対応可能なことが多いですが、難治性のものには縫合術が行われます。

Peroneus brevis tendon tears may be caused by subluxation of peronael tendon and compression from the peroneus longus tendon lying posteriorly to the sharp posterior ridge of the fibula.
The MR imaging shows boomerang-shaped or bisected on axial levels.

参考文献
AJR 1997 (Schweitzerら)
Foot Ankle Int 2000 (Majorら)
BJSM 2002 (Minoyamaら) etc